赤ちゃんコゲラとmarukei爺さんの物語

つい先ほどの事じゃった。
婆さんは洗濯物の取り入れ、爺さんは牛睡をむさぼって尚に暇をこいていたので森にフラフラと出かけたのじゃった。

岩屋堂の森を滝に向かって歩いていたら、「チッィ~チッチッチ」と近くで鳴き声がする。
爺様は上を見上げたが何もいない、鳴き声はコゲラの子供に違いないはずじゃ・・・上を探すが姿はない。

下を向いた爺様は驚いた、直ぐ近くにコゲラの赤ん坊がおったのじゃ。

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頭に赤い毛が混じってる男の子じゃ、右の斜面から落ちたのだろう・・・どうしたもんかと悩む爺様だった。



ここは車も通ることもある、カラスもいるのじゃ、このままでは直ぐに死んでしまうに違いネェだ、と、爺様は思った。
男の子は爺様にヨチヨチと近づいてきた。

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何と小さくて”メンコイ”子じゃ、爺様の靴と比べたら大きさが解るはずじゃ。
靴先まで近づいた男の子は爺様をジット見つめたのじゃった。

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*つぶらな瞳で見つめられた爺様・・・強烈な愛情が湧いた瞬間だった。(爺様の心の解説)

山で生きるものは山で運命を待つしかない、連れては帰れない・・・どこぞ森の奥に連れてゆくのじゃ!
爺は決心して話しかけた。

「お前さんの親は必死に探しはするが戻す力も無いはずじゃ」
「わしが山のどこかに戻してやろう」

爺様は手を差し伸べた・・・「チッ!」泣いた彼は爺様の指を突っついた・・「イテッ!」
「これこれわしは救いの神じゃ」、また手を差し伸べた・・「チッ!」泣いて再度爺様の指を突っついた・・「イテッ!」

困り果てた爺様は少ない脳みそで考えた、”そうだ昔、山の者”から聞いた話を思い出した。
”目じゃ!”目を隠せばおとなしくなるはずじゃ、爺様は汗にまみれた臭い手ぬぐいを首から外して彼にかぶせた。

何と!、おとなしくなった、手ぬぐいの中で落ち着いた、温もりが爺様の手に伝わる。

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*メンコイ、メンコイ、たまらなくメンコイ、爺様は迷っていた・・・連れて帰りたいと。(心の解説)

自然に生きるには過酷さも必要じゃ!、辛いが自然に戻すのが良い、爺様は森の奥に向かった。

人が滅多に来ない場所まで歩いて、餌になるケムシがいる斜面に置いた。

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よほど心地よいのか、それとも爺様の汗臭さが良いのか手ぬぐいを離さない、コレ!離せ!

いままでは親から餌を貰っていたはずだからお前は餌の食い方が解るか?
marukei爺は”ケムシ”を調達して赤ん坊の横に置いた、暫く見ていたが”つついた、食べた!”

「そうじゃ、一人で食べんるんじゃ、周りにはうじゃうじゃケムシが這い回っているのじゃ!」

別れ難い・・・が、離れることにした。

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”行くな!”と言わんばかりのつぶらな目で見つめられた爺は目頭を押さえて足早に振り向きもせずに歩いた。

・・・しかし、5分歩いたら心配になった、最後の別れじゃ、と、つぶやいて森の奥に引き返した。

コゲラの赤ん坊はいなかった、斜面や周りを探してもいなかった、奥に入っていたのかも・・・
精一杯生きるのじゃ!、親がいなけりゃ自分で餌を探すのじゃ!、声をだして叫んだ爺様がいた。

寂びしさを引きずって帰って直ぐにこの記事を書いている、婆様に話した。

「明日の朝はコゲラの恩返しで大判小判が枕元にザックザク」
婆様の言、「必ずあるよ、ケムシがザックザクと枕元に」・・・ギョエ~!

                             物語はこれで”どっとはらい”

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