優しさも考えもの・・・

妻と買い物に出かけた、自宅から国道へ出る道の路傍に老人が倒れていた。
引き返したら老人は立ち上がった。

「歩けますか?」、「・・・」首を振る、「自宅は何処ですか」、「品野三丁目」

この場所だ、「家まで送りましょうか?」、「頷いて笑った」

助手席に妻が介助して載せた、老人に指示させた・・・ところが彼の指示は別の場所
細い道をアッチだコッチだと言う・・・「本当か?」、「もうすぐだ」

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着いた先は中品野、全然違う場所、車もこれ以上進めない、困った!

「本当に此処ですか?」、「ここはワシの起点の場所じゃ」「もうすぐ家じゃ」

やむを得ない、老人を降ろして買い物に戻った。



車中、妻と話した、やはりおかしい、倒れた場所と送った場所は3km以上離れている。
歩けるわけはない、「認知症徘徊」、そうなんだ、大丈夫か?

買い物から帰っても心が落ち着かない、助手席に乗せた時は”ひどい臭い”だった、服も臭かった。
独居老人の認知徘徊の可能性が大きい、昼食後に歩いておいてきた場所に向かった。

当たり四方をくまなく探したが老人はいなかった、一安心、誰かが保護したのかもしれない。

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老人ではなくアキノタムラソウを見つけた。

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超遅咲きの曼珠沙華の姿が老人と重なった、再度、広い範囲を調べたが老人はいなかった。

どうしようも無いので帰りに着いた、それでも心はモンモン、何気に寺に足が向いていた。

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岩屋堂入り口の浄源寺、小旅行で訪ねた豊川稲荷にご本尊を納めていると聞いた。

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本当だった、石碑に書いてあった、賽銭は入れなかったが薬師観音に老人の無事を祈った。

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寺の入り口を護る獣も豊川稲荷と同様であった、御利益があると信じた。
それでも心が落ち着かないまま帰りに着いた、野の花を見ながら歩いた。

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白い山茶花の落ち花・・・淋しそう、またもや老人を思い出した。

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ミソソバにベニシジミ、自然に生きるものは美しくて逞しい、きっと老人も元気なはず。

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ノコンギクにセセリ蝶、羽が痛んでいる、それでも逞しい、老人頑張れ!

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百舌鳥が近くで鳴いている、歌を思い出した、寂しい歌だ、何を見ても老人を思い出す。

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高空にノスリが舞う・・・考えても仕方がない、結果だけが真実なのだ・・・。

考えさせられる一日だった、優しさだけでは逆にとんでもない事が起きてしまう。

経験や慎重な判断をせねばならない、「認知症」、名前を聞いたり、言うことを鵜呑みにせず
的確な判断が求められる、”優しい気持ち”だけではダメな事を教わった日だった。

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